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島国の花

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ふたつの月
(2006 ミクストメディア 陶・石)
出町光識「KAGAI」展 T-BOXより

日本的な美意識を感じてしまうことがある。

日本人だからあたり前だろうと言われるかも知れないが、

これだけ西洋的なものに囲まれ

合理主義で生きているのだから、

時たまそれが顔を出すと少々脅かされるのだ。


今回開かれている展覧会の作品を製作中も

それらを日々感じ意識してきた。


色、形、表現法などにそれは潜み、

何かと関係性を感じたときに

自分の中に深く沈んでいる島国(日本)を意識する。


DNA的なのか、習慣性なのか、風土なのか

どうしようもない宿命に横たわる心の錘。


たとえば、外来文化や美の感じ方にあこがれもするが

日本人を意識してしまう物の捉え方は

学生時代に必ず出かける京都修学旅行に似ている。


多感な思春期に日本を野暮ったく感じ、

刺激的な日本意外な文化に憧れながらも

古都でお寺廻りしながら、建物や日本の庭や仏像に

懐かしさや安堵感を意識する。


「ああ、日本人だな」


どうしようもなく思う、あの感覚である。


明るく派手な色彩を好みながら、落ち着く色を。

マクロの大きさに圧倒されながら、箱庭的なミクロへ。

豪華絢爛な装飾に目を奪われても、簡素を表現を。

完璧な完成度でなく、外しの遊びを。


それらは言うなれば島国の花。


自分をとりまく関係性と向き合いながら

対じしていくことで自分が立つのでなく、

小さい島国で自然や風土、物や人などの関係性と

共に寄り添い、時に一体になりながら自己をみいだす。


そんな日本人的感じ方に興味がある。

昔から意識はあったのだが

この最近は表現として強く意識するこの日頃かな。

島国の花_d0074542_5373153.jpg






濡れる山のぬるい水
(2006 ミクストメディア
陶・石・水)
「KAGAI」展 T-BOXより

ゆっくりとした時を過し、

日本ならではの遊び(ものつくり)をしていきたい。 出町光識
by super-bird | 2006-07-12 02:10 | 美術to工藝
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