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壺中天
夜勤明けに友人のサラリーマン Tさんが

アトリエにひょっこりと顔を出した。


僕にとっては朝の犬の散歩時が

Tさんとっては俗に言う5時から男なのだな。


立場や時間の概念など人によって曖昧なのだな。


さて、Tさんは壺のような体形をしているのだが

まあこれも俗に言えば、おデブちゃん。

今ならメタボリック症候群かな。


彼が美大を目指していた当時に描いた絵が

今日の会話の中で話題となった。


実は彼には黙っていたがずっと僕の中では

思い出のお気に入りであることを告白した。

それが抽象画でありながら自画像として成立していたからだ。


好きな絵描きであるピカソ画伯やモネ画伯の

描いた絵画に並んで

僕の中では心に残る1枚だ。


何も絵など美術史に残るものがすべてではない。

子供のいたずら書きから知人の描いたものでも

それに匹敵するかと見間違うほどの

感動や発見と大切な出会いや思いはあるものだ。


プロアマなどの枠は美の本質とは程遠いのだから。


もっと解りやすく言えば

どんな絶世美女が地球上に居ようと

自分の好きになった人が1番であると僕は思う。

つまり、何かと向き合う時はどんな人も、物も、

一対一なのだからね。


彼のキャンパスに描かれた油絵の作品

『壺』は

彼の持つ人間性の本質と

若い時代特有の雰囲気が出ている。 (出てしまったのかもね)


若い時代の雰囲気とは

ピカソ画伯で言えば青の時代。

独特の若い品というか毛高さかな。
(何もTさんのがそんな素晴らしいかと思われるのも違うのだが。。。。)


壺の持つ形体ゆえの空洞性からの虚無感と希望感。

それが彼の若さゆえの迷い、不安、野心に

見事なまでにオーバーラップしている。

見事な一作である。


もうひとつ告白すれば

その素晴らしさに一見した時にすぐ

彼にこの作品が欲しいと懇願したものだ。


Tさん記憶にないでしょう。。。


僕にはいまだにあんな壺は作れてはない。

悔しいが事実である。   出町光識


壺中天_d0074542_14232450.jpg


追伸
恥ずかしながら製作中の
壺の写真をUPします。
トホホ。。。

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by super-bird | 2007-04-19 14:16 | 気になるおしゃべり
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