葬儀の折りに出棺で霊柩車が走りだす時、
死者が生前に愛用した飯碗を 地面に叩き割るといった光景を見たことはあるだろうか。 記憶に定かでないが何度かそんな現場に遭遇した事がある。 本を読んでいたら、 食器の類いを自分専用であると区別して使うのは 古くは朝鮮半島から日本列島のみの習慣で、 世界でも珍しいと記してあった。 他の国々では共有の大きな器を使い食事をしたり、 その大きな器から各自銘々の小さな器に分けて食事をしたはするが 自分専用の器や食事道具(箸等)というのはあまりないらしい。 言れわてみればその通りで、 日本で住んでいるからそれが当たり前のようにいるが 世界では稀で少ないのだろうな。 焼き物屋さんとか陶芸家と言われる仕事をしているが 所謂食器一式セットなどは面倒くさがりなので作らない。 すると大よそ狭い範囲内で、ピンポイントの人相手に 器を作っているのかと改めて思いしらされる。 縄文・弥生時代まではハレとケの違いはあれど、 自分専用の器という考えもなく大らかに暮らし、 自分の物は皆の物だったのか、 あるいは大いなる力に生かされ感謝がそのような感覚になったのかな。 ところが本に記してあったが、 近世になると自分の物は自分の物となるようで 平城宮の物には素焼きの皿に『俺の物』と書いてあるという。 (※ 醴太郎・まかないさんよ、盗むなよ、もし盗めば、むち五十。と書いてある) 自分専用な器という感覚意識して誕生したのである。 この頃から焼き物屋も職業になり得たのかもしれない。 無論まだ汚れを知らない素焼き旺盛時代の話ではあるが。 書き出しで紹介した生前愛用した茶碗を割るということは この世に未練を残さず、戻ってこずに成仏して下さいという儀式ですね。 (棺桶を玄関から出棺しないというのと同じような意味でしょうかね。) これもまた極めて狭い範囲の器にまつわる、お呪いなのかもしれません。 出町光識 応援のクリックを。 人気blogランキングへ
by super-bird
| 2007-12-16 03:10
| 気になるおしゃべり
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