人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 女の子男の子 ポケットの丸石 >>
春の営業マン(もしくは啓蟄)
♪春よ来い、早く来い。。。。。 

なかなか世間は暖かい風ばかりではないね。


春一番に乗ってかな、あるセールスマンさんがアトリエに立ち寄った。

営業マンという呼び方の方がいいかな。

若い彼は仕事のことで悩んでいる様子だった。


久し振りに来たので、彼がセールスするものは、

ぼくはしばらく前に手に入れてしまって、彼からは買うことはできない。


友人とドライブ遊びをしながら、顔見せに来たのだというが、

何処となくだが、自分探しに来たように思えた。


ぼくも友人とそんなドライブを若い頃にした記憶がある。

何をするでもなく、いつか見たアメリカのロードムービーのようにね。

大人のなかで、残された子供心を、日干しながら風を感じる瞬間だ。


彼に聞いたら連れ添いの友人は、同じ職場を退職した人でフリーター。

彼も同様に退職を考えていて、今は上司に引き止められていると話してくれた。


男の子は仕事や転職に悩む時期が、30歳から35歳ぐらいまで、

誰しもあるように思う。

女の子なら20歳後半だろうか? (これは想像だが。。。。)


これまでの自分とこれからの自分に、伸び悩むのだろう。


これはどんな職業でも同じだろうな。

焼き物を職業にしている陶芸家?だという友人の後輩たちも、

30歳から33歳ぐらいの誰しもがモガイテイルように感じる。


先行く先輩を見れば、誰しも楽しそうには見えず、

焼き物屋の生き方に、納得して粘土に向き合う様子もないだろうしね。

そんな姿になっていくのは嫌だった。

自分もあの頃は辛かったな。 今は違った辛さもあるがね。 (ってことはずっとツライのよ)


何を作っていいか、まったくと言っていいほど、判らなかった。

作品って何?

自分が作りたいものって何?

それをゴマカスように、ロクロを挽きまくって、うつわを作った。

周りを見て、気付けば先輩陶芸家のほとんどが、

作りたい作品などないのだと、理解した時には恐怖に震えた。


作りたいものが無く、作り続けるなんて賽の河原の石積みだから、

そんなこと一生やっていくのは本当に嫌だった。

仕事と割り切るには、あまりにも子供の頃から、

好きな絵を描いたり、作ることに夢を見すぎていたからね。


心が生きていなければ、それは屍。

社会のなかで動いていても、大人はすでに死人である。


好きなものが自分の心のバランスを助けてきてくれてたのに、

心のバランスを乱すなんて、何の因果か滑稽だね。


今40歳になり、違った苦しさのを持ちながら、

そんな後輩を見ると、高みの見物でいる訳ではなく、

もどかしく、何もできずに、苛立ちにも似た苦しさを伝染し感じる。


しかし自分でしか解決できない。


もしかすると解決などないのかもしれない。

正解も不正解もないからさ。


デモヒトソレゾレナンテカンタンニイカナイオッセカイナジブンガキョウモイテシマウ。



営業マンの彼には帰り際に、友人の分と共に、自分の作った盃を手渡した。

そのぐらいしか出来ないしね。

夜は美味しい酒を2人で呑んだろうか。

1度きりの人生ゲーム。どのように賽を振るかは自分しだいだよ。   出町光識


追伸 もし彼がこれを読むようなことがあっても、間違った世捨て人イメージで
    陶芸家などという馬鹿な職種にはなることだけは、絶対禁止!とは言っておきたいかな。
    ははは。 ?先の後悔、後を絶たず?なんてな。 ぷ~。



応援のクリックは後悔なしでいきましょう。

にほんブログ村 美術ブログへ

人気blogランキングへ
by super-bird | 2008-02-27 02:28 | 気になるおしゃべり
<< 女の子男の子 ポケットの丸石 >>