人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< シンジラレナイ 奇蹟 >>
求道者
こことこは合間をみつけては、話題の北京オリンピックを視聴している。

どこの国々も同じだが、20世紀的な国家発揚に少々嫌気もあるが、

日本人が金メダルを奪取すると、大声だして嬉しいもまた本心ですね。


自己を追い込み、強い精神で状況を楽しんでいる人間は真に美しい。

それをみることができるオリンピックは、超一流の舞台なのだろう。


お家芸で国技な柔道を見ていて、少し思うことがあった。

国際大会で年々と柔道が、JUDOになっていくのは素人がみても理解はしている。

しかし今回のオリンピックの判定や、国際色豊かな選手の行動に少し戸惑ってしまう。

あくまでにわかな自分で、柔道は高校の授業でしか体験したことしかなく、

無知に恥じずにいえば、柔の道は今のJUDOにはあまり感じられることがないだろう。


そもそも柔道は嘉納治五郎氏が創始した武道であり、本来は格闘技やスポーツではない。

むろん柔術とも違う。精力善用と自他共栄を理念とした、『柔能く剛を制し、剛能く柔を断つ』を

礼する単に勝利至上主義でなく、精神鍛錬を目的としている。


今回のオリンピック観戦していて、荒れ方は相撲?日本ボクシング?どころではない。

曖昧な判定も判定で気にはなるが、それよりも礼節のところで、

神前に礼し、先生(審判)に礼し、相手にも礼をすることがあまり感じられない。

こんなこと言うと、カタブツでミギヨリに思われるかもしれないが、

神前がないのは仕方ないにしても、相手に対し心がない礼は見ていて気分が悪い。

(骨の髄まで日本人なのかな?。。。)

負けた後の不貞腐れた顔や、技を決められて畳から起き上がらない姿。。。。。

挙げたらキリがない。日本の文化というか習慣すら破壊されていくようで残念に思います。


あくまで格闘技ではなく、柔道である。 ならば、道とは何であろう。


武道。例えば、柔道、剣道、空手道。。。。

芸道。例えば、華道、茶道、香道、書道。。。。


ちなみに陶芸はあっても陶道はない。

陶芸は民藝に対抗して、加藤唐九郎さんが作られた造語で、 (※ 銀座陶芸画廊Kさん談)

民藝が民衆的工芸に対して、陶器芸術という極めて曖昧な単語である。

民藝には『用の美』と『無名の工人』の『無作為・無意識』のデザインに焦点をあてたが、

正直いえば、陶芸は焦点が見当たらないない。

陶芸はもともと陶器という産業と、芸術の概念を合わせようとした?無茶苦茶だから、

よほど追い詰められた苦肉の作為造語なのだろうね。  さてさて、話を戻そう。


道の根本概念は何処からだろう。禅なのだろうか。

そういえば、中国には道教というのもあるな。

どちらにせよ言葉を越え、自己内面とあらゆる生命をあわせた道なのかもしれない。

にわかや素人だとしても、柔道がJUDOに移行していく国際性の状況を、

いくらかでも礼や恥を重んじる教えを受けただけに、残念に思うのだろうか。


海外には厳しい環境下ゆえにできた、一神教の教えも強いから、

なかなか理解してもらうことは、難しく程遠いのだろうか。


自然豊かな島国で、神仏一体である価値観や真理は、マイノリティないのでしょうか。


そんなことを考えながら理解していきたいと、道を求める求道者が、

武道芸道に今どれだけいるかはワカラナイが、格闘技やスポーツ、趣味やお稽古と、

日本人でも思っている人も沢山いるのだから、仕方がないことなのでしょうか。


自分も生業を陶芸家?もしくは工芸家、アーティストと言ったりしてイイカゲンですが、

実のところ、もっともしっくりするのが精神造形家です。(知人Mさんは大げさと言うが。。。。)


これは造形するのは作品だけでなく、一期一会に自分の命を深めていきたいことに意味する。

芸道の道を解り易い言葉に変えていて、道に近いかも知れない。

むろん、自分のようなテイタラクには、修行が足りずできているとはいえませんが。


悶々とオリンピック柔道を見ていて、3大会連続の金メダルを目指した谷亮子さんが、

微妙な主審判定に敗退した試合後、『先生(審判)が判断したことですから』と

潔くコメントしたの聞いて、JUDOのなかでも柔道を見た気がした。


心技体。 心はまだ何処までも強くなれるのだと気付かされた。

判定に不満ばかり思った自分が恥ずかしい。

彼女の言葉は、国技やお家芸ではなく、もっと大切な個人や、道で光り輝いていたように思う。

柔道の理念からすれば、他人と争う金メダル以上尊い。

そういえるような自分も個になりたい。

また、道というものにいっそう深く知りたくなった。   出町光識


応援のクリックをポッチポチとな。

にほんブログ村 美術ブログへ

人気blogランキングへ
by super-bird | 2008-08-12 22:22 | 気になるおしゃべり
<< シンジラレナイ 奇蹟 >>