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タクシードライバー病
パチパチと深夜にBlogをつづっていると

つけっ放しのテレビから

1976年米国映画『タクシードライバー』の

深夜放映が始まった。


懐かしさに寝そびれてしまうなと揺れはしたが


すぐに映画主人公 トラヴィス・ビックルが鉛筆を持ち

ノートに日記を書き綴る姿に自己投影してしまった。


言わずと知れた『タクシードライバー』は

アメリカン・ニュー・シネマの最後期名作で

マーティン・スコセッシ監督と 役者 ロバート・デ・ニーロ氏の

コンビ出逢いの作品である。


パソコンを閉じ、布団の中で懐かしの映画に見入る。


当時は感じることはなかったが

最近拝見したNHK番組の今村昌平監督特集で

スコセッシ監督が今村映画好きなのを

見たせいだろうが何処となくではあり、

気のせいかもしれないが

今村監督の日本映画1961年『豚と軍艦』を思い出し


ロバート・デ・ニーロ氏の顔は長門裕之氏に見えてしまった。
(深い意味はゴザイマセン、熱狂ファンの方お許しを)


映画から流れてくるサックスの音色はは

あまりに心地よく上出来なもので、

なんでこんなにすんなりと

体に入り込むのか不思議に思い調べてみると


音楽はバーナード・ハーマン氏で

長年の間ヒッチコック映画で音楽を担当していたことを知り


ヒッチファンとしては

もはや、『知りすぎていた男』でした。

あいまいながらハーマン氏の後ろ姿も瞼に残っています。

残念ながらヒッチコック監督とハーマン氏が喧嘩別れしたとは。。。。


でもこの映画とブライアン・デ・パルマ監督の

『愛のメモリー』の2本で見事に復活し死去したそうです。


13歳の少女 ジョディ・フォスターさんの娼婦役も

初心可愛らしく、しっかりとした演技に引き込まれたし

スコセッシ監督が出演しているのもヒッチ的で楽しめた。


他にも脚本 ポール・シュレイダー氏は

小津映画ファンでありここも面白く、

スコセッシ監督は今村映画ファンであるため


小津映画が嫌いで助監督を飛び出した

今村監督の因縁をも感じます。


同じく脚本家の実兄さんレナード・シュレイダー氏の

原案脚本日本映画1979年『太陽を盗んだ男』や

1983年『ションベン・ライダー』をも彷彿させた。


この『タクシードライバー』やそれ以前からの

アメリカン・ニュー・シネマは

映画好きになる欠かせない要素のひとつで


アメリカにおけるベトナム戦争の影は

反体制の若者の無力感が

自分が小中学生の思春期に揺れる気持ちと旨くシンクロした。


『俺達に明日はない』 1967年

『卒業』 1967年

『イージーライダー』 1969年

『真夜中のカーボーイ』 1969年

『いちご白書』 1970年

『スケアクロウ』 1973年

『ダーティーメリー・クレイジーラリー』 1973年


どれも自分が生まれた前後の作品なので

タイムリーに映画館上映で見たわけではないのだが

テレビという娯楽の箱から見せいか

なおさらにインパクトがあったような気がする。


なかでも当時から『ダーティーメリー・クレイジーラリー』が

一番のアメリカン・ニュー・シネマのお気に入りで

傑作だと思っている。


期待せずに昔の友達にひょこっと会ったように

懐かしさと良き思い出、そして心の中の悪友が

罪悪感をもたげ、とても気分が良くなった。


しかし、心と体はアンバランスにもバラバラで

朝まで『タクシードライバー』を見たせいか

寝不足と年老いにその日は近所にお祭に

道々のものとして陶芸屋台を出して参加するも

体調を崩し、嘔吐と頭痛で寝込んでしまった。


まったく困ったもんだぜ、映画みたいに

『この街を浄化してやる』という悪態をつく前に

僕がトラヴィス病になってしまったようだ。   出町光識


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by super-bird | 2007-09-03 18:03 | 映画TV
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